2022/令和4年
105日 (

インタビュー 【トップインタビュー】炭鉱の町からIT先端都市へ=片峯誠・福岡県飯塚市長 2022/07/29 08:30

片峯誠・福岡県飯塚市長

 1960~70年代に炭鉱で日本の産業を支えた福岡県飯塚市は、市内にある大学などと協力してブロックチェーン(分散型台帳)技術の実装化に力を入れている。2021年11月には「ブロックチェーン推進宣言」を発表。片峯誠市長(かたみね・まこと=66)は「(飯塚市を)ブロックチェーン技術を核としたITの先端都市にしたい」と意気込む。

 市はブロックチェーン技術を活用した空き家の情報を管理する方法について模索。空き家を放置しておけば、将来的に空き巣などの犯罪が起きることが懸念されており、空き家解消に向けた対策を急ぐ。ブロックチェーン技術について「うまくいけば、全国の自治体を助けることができるのではないか」と語る。

 市の担当者によると、現在、中古物件などの情報を掲載するプラットフォームの構築に着手する段階だという。

 この技術により、最終的には連絡先などの個人情報を守りながら、所有者が気軽に空き家情報を掲載し、購入希望者がその情報を閲覧できる仕組みづくりを目指している。「空き家情報を一定程度オープンにして、市場に乗せることができるのではないか」と話す。

 市は小中一貫教育やオンラインの英語授業をいち早く取り入れるなど、教育にも力を入れてきた。教育を受けさせるために、市外から移住する人もおり、市内の出生率は2.0を下回っている一方で、小学校の児童数は近年、増加傾向にあるという。

 子育て世代の移住で人口は微減に抑えられているが、「この流れもいつまでも続かない」と危機感を示す。「『結婚しようかな、子どもをつくろうかな』と思ってもらえる施策をどう打つかが今後の課題だ」と語る。

 〔横顔〕趣味はゴルフと読書。かつては孫のために家庭菜園もしていた。小学校教諭を務めた経歴の持ち主で、市長になった今も当時教え子だった職員などから「先生」と呼ばれることがあるという。インタビューには市の伝統文化で、アカネ草という植物の根を使って染める「筑前茜(あかね)染め」のネクタイを締めて応じた。

 〔市の自慢〕多様な人、多様な考えを受け入れられる地域柄。「炭鉱時代に日本全国、外国から労働者を受け入れ、付き合ってきたからではないか」と分析する。

(了)

(2022年7月29日iJAMP配信)

同一カテゴリー記事