インタビュー 【トップインタビュー】みんなが笑顔で暮らせる町へ=長戸清・鳥取県岩美町長 2022/08/02 08:30

鳥取県北東部に位置し、兵庫県と接する岩美町。2021年12月に就任した長戸清町長(ながと・きよし=62)は、「選挙戦では、先人が築いた岩美町を次の世代に残していきたいと訴えた。職員や町民と協働し、『みんなが笑顔で暮らせる町』をつくりたい」と抱負を語る。
町は鳥取、兵庫、京都の3府県にまたがる山陰海岸ジオパークの浦富海岸エリアを有する。今年は世界ジオパークの再認定の年。「関係する自治体と連携し、再認定を勝ち取ることが大事」と意気込む。
浦富海岸エリアではシーカヤックやサーフィンなどが人気を博している。観光誘客に向け「他にはないマリンスポーツが体験できるようメニューを増やすだけでなく、山側のトレイルコースの造成にも力を入れたい」と長戸町長。25年の大阪・関西万博まで1000日を切ったことも踏まえ、訪日外国人観光客の拡大にも取り組みたいという。
町は京都アニメーションが制作する水泳部の男子高校生を描いた人気アニメ「Free!」のロケ参考地としても知られる。今年4月には、「劇場版 Free!―the Final Stroke―」の後編も公開されたことから、「映画公開を契機に、われわれも観光PRや実際に町に来てもらう仕掛けをしたい」と強調。ファン向けにフォトコンテストも開催したいという。
ふるさと納税をめぐっては、寄付者とのつながりを生かした取り組みに重点を置く。返礼品の発注業務やトラブルに対応する専任職員の配置も視野に入れ、丁寧な対応を心掛けたいという。
JR西日本が4月、利用者が少ない17路線30区間の収支を公表。県内では山陰線の浜坂―鳥取間と因美線の東津山―智頭間が含まれ、維持・存続などに向けた議論が行われている。鉄道の存廃は地域の死活問題となるだけに、国に対し「地方にとって必要な路線はもう一度、国営にするくらいのことをしてほしい」と求める。
〔横顔〕県立鳥取商業高校卒業後、1978年に岩美町役場に入庁。総務課長や副町長などを歴任。21年11月の町長選で初当選した。趣味は中学生のときに始めたバドミントン。毎週水曜日には職員らと一緒に町民体育館で汗を流す。
〔市の自慢〕山陰最古と言われる名湯「岩井温泉」のほか、漁獲量日本一の「松葉ガニ」や地酒の銘酒「瑞泉」。
(了)
(2022年8月2日iJAMP配信)