2022/令和4年
105日 (

インタビュー 【トップインタビュー】脱炭素へ「何でもやる」=清元秀泰・兵庫県姫路市長 2022/08/19 08:30

清元秀泰・兵庫県姫路市長

 カーボンニュートラル社会への移行が世界的な課題となる中、環境省から第1回の「脱炭素先行地域」に選定された兵庫県姫路市。官民の知恵を総動員し、二酸化炭素の排出削減に全力を挙げる。市内の臨海部には製造業やエネルギー産業が集積しており、清元秀泰市長は「(姫路を中心とする)播磨臨海地域が兵庫県の脱炭素の命運を握る。やれることは何でもやる」と力を込めた。

 脱炭素化に向け、清元市長が重視するのは国や県、民間企業との連携だ。7月には官民合同の「播磨臨海地域カーボンニュートラルポート推進協議会」が発足し、姫路市内で開いた初会合では、温室効果ガスの削減に向けた具体的な計画を策定することを確認した。「各企業の最新の技術を使い、エネルギーをつくる側、ためる側、運ぶ側、使う側から一気通貫的な事業連携で『カーボンニュートラル・サプライチェーン』を形成したい」と意気込む同市長。「企業の投資意欲も高まってきている」と手応えを語る。

 市民も巻き込んだ取り組みもカギを握る。市は関西電力と協力し、世界文化遺産・国宝の姫路城の周辺の公共施設で、太陽光発電の導入などで温室効果ガス削減を図る「姫路城ゼロカーボンキャッスル構想」を打ち出した。市民の関心を喚起しながら、脱炭素の浸透を目指す。

 医師出身の同市長は、「命」「一生」「暮らし」を意味する「LIFE」を大切にする政治を重視。新型コロナウイルスに関しては、分娩(ぶんべん)の環境を確保するため、妊婦とパートナーを対象としたPCR検査を先駆的に導入するなど、独自の対策を講じてきた。ポストコロナに関しては、「コロナに強い形のインバウンドを目指したい」と話す。市は国土交通省の創設した「歩行者利便増進道路(ほこみち)」の制度を活用、JR姫路駅から姫路城を結ぶ「大手前通り」をほこみちに指定しており、清元市長は「お城にオープンカフェなどを組み合わせ、姫路の魅力を発信したい」と将来を見据える。

 2023年に広島で開かれる先進7カ国首脳会議(G7サミット)に合わせ、関係閣僚会合の誘致に手を挙げている姫路市。21年秋に世界保健機関(WHO)の西太平洋地域委員会を開催した実績もあり、清元市長は「厚生行政では強い発信力がある都市」と語る。各国要人を受け入れるための施設の確保に目配りしつつ、吉報を待つ。

 〔横顔〕医師として医療に従事。東北大教授も務めた。東日本大震災では、東北大病院救急医療チームを最前線で指揮、医療復興を核にしたまちづくりに携わった。尊敬するのは、同じ医師出身の政治家で、関東大震災からの復興を担った後藤新平。

 〔市の自慢〕誰もが知る姫路城をあえて封印して推すのは、離島の家島。風光明媚(めいび)な漁村で、観光名所であると同時に、良質な岩石の産地でもある。家島の石材は関西国際空港の人工島の造成などに使用されており、日本の海洋土木工事を支えている。

(了)

(2022年8月19日iJAMP配信)

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