2022/令和4年
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インタビュー 【トップインタビュー】家賃助成で人口減に歯止め=高木康弘・北海道士幌町長 2022/09/16 12:09

高木康弘・北海道士幌町長

 就任から半年を迎える北海道士幌町の高木康弘町長(たかぎ・やすひろ=59)。「就任直後は目まぐるしいスケジュールだったが、6月の定例議会以降は、じっくり考えながら仕事ができるようになった」と語る。人口減少に歯止めをかけることが喫緊の課題だ。アパートの建設費に補助をしてきたが、2023年度からは「もうひと工夫して、町外から引っ越してきた人に、家賃の一部を助成することを考えている」という。

 人口は約5800人。畜産や酪農が盛んで、21年度の農業生産額は464億円と人口比で見ると非常に大きい。スナック菓子や冷凍食品を製造する農協関連の大型工場もあり、雇用の受け皿はある程度そろっている。ただ、商業施設や飲食店などの利便性では、近隣の帯広市や音更町に比べて劣り、町外からの通勤者が多い。

 そこで、町の活力維持のため人材育成や観光業にも注力する。町立農業高校の士幌高校では「農業だけでなく、食産業の人材を育てる使命もある」として、食品工場のさらなる誘致を目指す。目玉となる観光スポットは少ないものの、「道の駅ピア21しほろ」は高い集客力を誇る。隣接する音更町の「道の駅おとふけ」、上士幌町の「道の駅かみしほろ」も負けず劣らずの人気。鹿追町の「道の駅うりまく」では手軽に乗馬体験ができる。「スマートフォンを使ったスタンプラリーができないか話をしている」といい、観光分野での4町の連携に期待を込める。

 現職の町長が急きょ病に倒れ、副町長だった高木氏に白羽の矢が立った。事務処理能力が高く、「スーパー公務員」と部下からも一目置かれていた。ただ、出しゃばることを好まず、自他ともに認める副町長タイプ。「今でも副町長的に考えてしまうことがあるが、『違う。首長なんだ』と自分に言い聞かせ」ながら、将来を見据えた行政運営を心掛けている。

 〔横顔〕帯広畜産大卒。1985年士幌町に入庁し、今年2月までの2年間は副町長を務めた。若い時分は野球やアイスホッケーのチームに所属。自己分析すると「真面目さが長所でもあり、短所かなぁと思っている」。高校でソフトボール部だった長女の応援でビデオカメラを回し、「試合の前にモチベーションを上げるための動画を作っていた」というまめさも。2人の子どもは手を離れ、「応援に行くこともなくなり、非常にさみしい」のだとか。

 〔町の自慢〕約8万頭いるという牛の数。「北海道別海町にはかなわないが、人口比では13倍くらいで日本一だろうと思っている」

(了)

(2022年9月16日iJAMP配信)

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