2022/令和4年
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インタビュー 【トップインタビュー】新しい「将棋のまち」へ=山本信治・山形県天童市長 2022/09/22 08:30

山本信治・山形県天童市長

 将棋駒の生産量日本一を誇る山形県天童市。4期目の山本信治市長(やまもと・しんじ=75)は、就任から一貫して「子育て支援」「観光・ものづくり」「スポーツ・文化・健康づくり」を重点施策に掲げ、まちづくりに取り組んできた。来年の市制施行65年を前に、「新しい『将棋のまち天童』をPRしたい」と意気込む。

 子育て支援では、高校3年生までの医療費の無料化を県内で初めて実現。「本来は国がやるべき政策だった」と指摘し、県内自治体に広がった現状に「先陣を切れたと思う」と手応えを感じている。

 2021年度からは、小学校と中学校に入学した児童生徒の親に、応援金として10万円を支給する「エール天(10)」事業を開始。「少子化の時代だからこそ、子育てにみんなでエールを送りたい」という肝煎り事業で、市民からは「助かる」と多くの声が寄せられているという。施策に特色を打ち立てることで、「(子育て世代の)まちの選択肢が増える」と意義を強調する。

 商工業では、市のトレードマークである将棋駒の職人の後継ぎ養成や、観光振興に力を入れる。名物イベント「人間将棋」は、仮装した人が駒となって巨大な盤面でプロ棋士が対局する非公式戦で、60年以上の歴史を持つ。新型コロナウイルスの影響で中止が続いていたが、「何とか明るいニュースを届けたい」との思いで、22年4月に3年ぶりの開催にこぎ着けた。

 対局には、将棋ブームの火付け役となった藤井聡太五冠が初参戦。藤井五冠の出演は山本市長の悲願で、「先人がやってきた将棋に対する取り組みの評価を、日本将棋連盟の皆さんから頂いた」と感謝する。対局当日は日本全国から将棋ファンが市内に観戦に訪れ、観覧席の抽選は約20倍となった。想定外の反響に、「うれしい誤算がたくさんあった」と笑みをこぼす。

 来年度の市制施行65年では、人間将棋のほか、市内に新たな将棋モニュメントを設置する計画を進めており、市民から直接アイデアを募っている。「特徴を生かしたまちづくりが本市の大きな強み。しっかり生かして、次の世代につなげていくことが大事だ」と力を込めた。

 〔横顔〕趣味は家庭菜園。ナスやキュウリ、トマトなど幅広く手掛けるが、ニンニクの栽培には失敗した。娘2人は自立し、現在は妻と愛犬と暮らす。孫が5人いる。

 〔町の自慢〕県内13市で面積が最も狭いため行政効率が良く、産業のバランスも取れている。果樹栽培が盛んで、西洋ナシ「ラ・フランス」は生産量が日本一。

(了)

(2022年9月22日iJAMP配信)

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