2022/令和4年
124日 (

インタビュー 【トップインタビュー】職員との議論で良い土台づくりを=一見勝之・三重県知事 2022/09/30 11:05

一見勝之・三重県知事

 9月で就任2年目に入った三重県の一見勝之知事(いちみ・かつゆき=59)。新型コロナウイルス感染症への対応と同時に、観光振興や防災・減災、人口減少対策などを盛り込んだ中期・長期計画の策定を進めてきた。心掛けたのは「年齢や役職に関係なく、職員とよく議論すること」。県政運営には「しっかりとした土台づくりが大事だ」と語り、「どんどん意見を言ってもらえる土壌づくりをしたい」と意気込む。

 今夏の新型コロナ感染「第7波」では「飲食店由来の新規感染がどの程度かのエビデンスを示すのが難しくなってきていた」。このため「まん延防止等重点措置」の前段階の措置として「BA.5対策強化宣言」を国に提案、採用された。「重症化しやすい高齢者を守り、医療崩壊を食い止めながら経済を回せた」と振り返る。

 先行導入した新型コロナ患者の「全数把握」見直しでは、発生届の対象から外れた陽性者の氏名と生年月日、居住市町名を民間企業のシステムで集める独自手法を取り入れた。救急搬送時などに陽性者かどうかの確認を容易にするためで「これは県庁職員の提案。現場を知っている人に任せた」と話す。県内医療機関からは「打ち込みが楽になった」との声が寄せられているという。

 コロナ対策で大事にしたのは職員や関係者との対話だ。就任後の「第6波」「第7波」でも、「何を改善していくべきかをよく議論しながら決めてきた」という。

 県政運営の指針となる中期・長期計画もまとめた。強化するのが観光振興で、「人口が減少していく中で、県の魅力を多くの人に認識してもらう大きな手段だ」と強調。ただ、大阪や名古屋など近隣の大都市圏から訪れる人が多く、「県内での宿泊数が少ないという弱みがある」。関東圏からの誘客を目指し、「ITを活用し、科学的に検証しながらプロモーションをしっかりやっていく」と力を込める。

 「県民の命を守ることは行政の最重要課題」とし、特に子ども関連の事業や災害対策にも注力する。「三重の将来を紡ぐ子どもたちの健全な成長の支援は重要なことだ」と訴える。

 この1年は「しっかりした土台をつくるための年だった」と振り返る。中期・長期計画策定時は職員に「私が言ったことが正しいか検証してほしい」と話したという。これからも「職員には自信を持って仕事をしてほしい」と呼び掛ける。

 今後、2023年度当初予算の検討が始まる。22年度当初予算編成では、啓発やイベントなどソフト事業全般の経費要求を原則90%以内としつつ、必要性が高い取り組みについてはそこから最大1.2倍までの要求ができる仕組みを取り入れた。「要求を大きくすると、いろんなアイデアが出てくる」と、23年度予算編成でも同様の仕組みを検討したい考えを示す。

 〔横顔〕東大法卒。1986年、旧運輸省に入省。海上保安庁次長や国土交通省自動車局長を経て2021年9月から現職。最近のストレス解消はウオーキング。

 〔県の自慢〕「外部から来た人に拒絶反応をせず、優しく接する」という県民性。

(了)

(2022年9月30日iJAMP配信)

同一カテゴリー記事