2022/令和4年
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インタビュー 【トップインタビュー】財務省から異例の転身=菅野大志・山形県西川町長 2022/10/05 08:30

菅野大志・山形県西川町長

 山形県の中央に位置し、9割以上を森林が占める西川町。高齢化率は45.7%と全国トップレベルの同町に4月、県内最年少の首長が誕生した。財務省出身の菅野大志町長(かんの・だいし=44)は、霞が関で培ったノウハウを武器に「提案型の交付金はアイデア勝負。補助金を生かして行政がサポートし、プレーヤーの『やりたい』を実現できるまちにしたい」と語る。

 幹部候補ではない、いわゆる「ノンキャリア」の官僚として、2001年財務省入省。初任地は東北財務局で、その後、金融庁、内閣官房のまち・ひと・しごと創生本部事務局やデジタル田園都市国家構想実現会議事務局などを歴任した。

 地方創生畑を歩んできた経験から、自身の生まれ故郷である人口わずか約4800人の西川町が、年間100人ペースで人口が減少していることへの危機感を「自分ごと」として感じるようになったという。町長選出馬を決意した理由として「高齢化率45%以上、人口4000人以下で生産年齢人口が増えた自治体はほぼない。人口が4000人を切るまでの2期8年が勝負。やるなら今しかないと思った」と語る。

 国家公務員時代は、週末に地域おこしのボランティアとして8年以上活動してきた。「公務員の仕事はあくまでサポーター。週末にボランティアでプレーヤーとして制度を使い、補助金を申請する側として活動してきたことは、町長としての仕事に生きている」と実感している。

 内閣官房時代では、各省庁の地方創生関係の補助金を扱い、省庁横断的に制度について学んだ。デジタル田園国家構想実現会議事務局では、交付金の審査担当を務め、「全国の成功事例と失敗事例を知ることができたのは大きい」と語る。

 補助金を査定する立場から申請する立場となったが、これまでの知見を生かし、町長就任から5カ月で約1億8000万円の国の補助金が採択。「当初予算編成に関われば、来年度は4、5億円の補助金支給も可能になるのではないか」と手応えを感じている。町の将来について「今が勝負どころ。きちんとした戦略を持って政策を打てば、まだ生産年齢人口は増やせる」と力を込める。

 〔横顔〕西川町出身、早稲田大卒。自身がボランティアで主宰する公務員と金融機関職員のコミュニティー「ちいきん会」はメンバーが2500人を超える。趣味は登山やランニングなど。

 〔町の自慢〕日本百名山にも数えられる名峰月山。町産の黒毛和牛ブランド「月山和牛」が誕生し、四季を通して美食が楽しめるようになった。

(了)

(2022年10月5日iJAMP配信)

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