2022/令和4年
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インタビュー 【トップインタビュー】世界に誇れる国際リゾートへ=文字一志・北海道倶知安町長 2022/10/13 08:30

文字一志・北海道倶知安町長

 冬季のリゾート地として、毎年多くの観光客がスキーやスノーボードを楽しみに訪れる「ニセコ観光圏」に位置する北海道倶知安町。ポストコロナや新幹線駅開業を見据え、文字一志町長(もんじ・かずし=59)は「世界の注目を浴びるニセコブランドを地域全体で盛り上げ、世界に誇れる国際リゾートを構築したい」と意気込む。

 コロナ禍前の町内の観光入込客数は年間150万人を超えた。町は2019年11月、「観光振興に使える財源を安定的に確保する」ため、宿泊税を導入。宿泊料金の2%を徴収し、同年度の税収は約1億7600万円に上った。

 20年以降はコロナ禍で大幅に減収したが、今後の観光客の戻りを見据え「宿泊税には期待が大きい。税収を活用して観光振興を図り、町民や事業者、観光客に還元したい」と力を込める。

 現在、観光客のうち半数以上が冬季に町を訪れているが、「観光を通年化しなければ、経済の安定にはつながらない」と、夏季シーズンの魅力向上に向けた取り組みも進める。22年10月には、町内でスキー場やホテルを経営する東急不動産と「オールシーズン型リゾート」の形成を目指し、包括連携協定を締結。「今後いかに通年化に近づけるかが最大の目標」と夏季のアクティビティー充実や魅力発信に尽力したい考えだ。

 30年度末には、北海道新幹線の札幌延伸に伴い、倶知安駅が開業する予定。「新幹線駅ができただけで町が活性化するなんて、そんなに甘くはない」と身を引き締め、「いかに新幹線を使って地域が楽しくなれるかを考える必要がある」と新駅周辺の整備や駅舎のデザインを町民へのアンケート調査などを踏まえて検討している。

 新幹線延伸で、倶知安―札幌駅間の所要時間は30分以内となる。「(札幌から)通勤通学圏内になり、生活スタイルが変わる」と指摘し、「人材確保や育成のチャンスが何倍にも広がる。高速交通を生かして持続可能な観光地づくりに向けた人材育成を展開したい」と展望を語る。

 町の高齢化率は26%と道内で3番目に低く、「町に住み続けたい若い人が多い」という。「観光地と一般の住民生活が乖離(かいり)していたら、町として成長できない。観光客による恩恵をしっかりと町民も実感できるようにしなければ」と強調し、「いつまでも住み続けたい町」を目指す。

 〔横顔〕1987年に町役場入り。総合政策課長や福祉医療課長を歴任し、19年に町長に就任した。趣味は読書と家庭菜園。

 〔町の自慢〕「JAPOW(Japan Powder)」と呼ばれ、世界中から注目されるパウダースノー。72年にスキーを町技とする「スキーの町」を宣言し、22年で50年となった。

(了)

(2022年10月13日iJAMP配信)

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