インタビュー 【トップインタビュー】健康を軸にまちづくりを=鈴木陽介・千葉県四街道市長 2022/10/14 08:30

今年2月に圧倒的な得票率で初当選した千葉県四街道市の鈴木陽介市長(すずき・ようすけ=39)は、「健康先進都市の実現」を目指し、健康の視点を取り入れたまちづくりを進める。「健康は本人や家族はもちろん、市の財政にもメリットがある。持続可能なまちには欠かせない」と話す。
市は今年度、健康長寿社会を目指すJAGES(日本老年学的評価研究)の事業に参加。高齢者の健康状態や生活・運動習慣などを調べ、地域ごとの課題をデータに基づいて割り出している。各地域に適した介護予防策の展開が狙いで、鈴木氏は「財政面からもピンポイントでの取り組みが効果的」と説明。「介護認定を1人減らせば約120万円が浮くから大きい」と力を込める。
健康を軸にしたまちづくりとしては徒歩にも着目し、スマートフォン向けのアプリ開発を模索中。また、災害時は移動手段としても活用できる自転車の利用促進を図るほか、100歳長寿者の表彰時には「生きた教訓」を得ようと、「長寿の秘訣(ひけつ)」を聞く。地域貢献に企業価値向上を見いだす事業者が増えたことを追い風に、健康づくりの協定締結にも積極的で、「いろんな角度から健康に取り組んでいる。市民一人ひとりにも意識を持ってもらいたい」と強調する。
前市政の全事業を再検証する中で、少子高齢化に伴う支出増と減収への懸念を抱き、税収確保のため「古くて新しいが企業誘致を進める」と奮起。千葉港や成田国際空港、東京へのアクセスの良さから、物流施設の拠点としての可能性に期待する。企業版ふるさと納税のメニューも充実させる方針で「自分が営業マンとなって売り込む」と熱く語る。
小学生のときに市長になる夢を持ち、これまで銀行員、国会議員秘書、市議、県議とキャリアを積んできた。「どの職業でも相手が求めることを常に考えた。その感性を磨けたことは大きい」と振り返る。「市民や職員の身近な市長でありたい」と、住民説明会には自らが赴いて内容を説明。市役所では仕事の生産性向上を目指し環境づくりに励んでいる。
〔横顔〕スポーツ観戦が趣味で、プロ野球の千葉ロッテやバスケットボール男子の千葉ジェッツなどのファン。子どもが将棋に興味を持ったことをきっかけに最近自身も始めた。同市出身。
〔市の自慢〕都市機能と自然環境が融合したコンパクトシティー。ホタルが生息する。住民自治の意識が高く、「祭り、こども食堂や市民ミュージカルが盛ん」。
(了)
(2022年10月14日iJAMP配信)