2022/令和4年
1127日 (

インタビュー 【トップインタビュー】地熱生かし、市政の発展を=佐々木孝弘・岩手県八幡平市長 2022/10/17 08:30

佐々木孝弘・岩手県八幡平市長

 日本で初めて稼働した地熱発電所を有する岩手県八幡平市は、地熱を利用したまちづくりが注目されている。昨年10月に就任した佐々木孝弘市長(ささき・たかひろ=60)は「地熱をいかに市政発展につなげていくか」と地熱利用の可能性を強調。企業誘致や観光業の発展につなげたい考えだ。

 現在、稼働する発電所は1966年に運転を開始した松川発電所と、2019年に開始した松尾八幡平発電所の2カ所。24年ごろに安比発電所の完成が予定されているほか、4カ所目の設置に向け国が調査を進めている場所もある。

 安比発電所が稼働すれば、市内の全世帯が使用する電力の約10倍が確保できるようになるという。将来的には、発電した電力を地域新電力から市民や市内の企業に供給する構想だ。「いかに市民にも融通できるかを挑戦したい。電力と電気料金の循環を市内でできれば、ゼロカーボンシティに近づけ、経済的効果も大きい」と話す。交流人口の拡大などにも電力を活用できるとして、企業やデータセンターの誘致にも取り組んでいる。

 松川発電所の蒸気を活用した温泉を供給している八幡平温泉郷は近年、老朽化や観光客の減少が進む。にぎわいを取り戻すために取り組もうとしているのが「泊食分離」だ。昨年、同所ではレストランなどを備えた複合施設が開業。施設内に温泉郷のフロント機能を置き、宿泊場所と食事を分けて提供する。「一つのエリアでまるごとホテルというイメージ」と構想を語る。

 子育て支援にも力を入れる。人口減少対策と少子化対策を重要課題に位置付けており、「どう食い止めるか。日本全国で子どもの数が減る中、地方はもっと悲惨な状況」と指摘する。そこで今年度から始めたのが、出産時の祝い金として1人目以降50万円を給付する事業だ。所得制限は設けず、「不安なく子どもを産み育てられる環境をつくれれば」と期待を込める。再開発を進める市中心部の駅前には、複合施設を整備し、子どもの遊び場や乳幼児健診などに対応する、子育てワンストップサービスを導入する方針だ。

 市長に就任し、1年が経過した。05年に旧3町村が合併してから、「基盤整備や一体感の醸成など、いろいろな投資をされてきたのを受け継いだのが1年前」と振り返る。市職員や副市長として市政に携わってきたことを踏まえ、「投資から、進化、発展という時期にちょうどバトンタッチしたと認識している」と語った。

 〔横顔〕盛岡商業高校卒。市企画財政課長、副市長を経て、21年10月の市長選で初当選。趣味はゴルフ。

 〔市の自慢〕春夏秋冬いつでも楽しめる自然の観光スポットがたくさんある。八幡平牛や八幡平サーモン、西根ホウレンソウなど食材も豊富。

(了)

(2022年10月17日iJAMP配信)

同一カテゴリー記事