2023/令和5年
131日 (

インタビュー 【トップインタビュー】施策展開の「原点は子ども」=池田高世偉・島根県隠岐の島町長 2022/12/01 08:30

池田高世偉・島根県隠岐の島町長

 隠岐諸島で面積が最大の島根県隠岐の島町。池田高世偉町長(いけだ・こうせい=67)は、人口減少や少子高齢化といった地方特有の課題を抱える中での施策展開について「原点は子ども」と力強く訴える。「生まれて良かった」「住んで良かった」「訪れて良かった」という「『三つの良かった』が響くまち」を掲げ、町づくりを進めている。

 子育てしやすい環境づくりでは、中学生以下の医療費無料や、保育料軽減を実現。「将来のためにできるだけ子どもには力を入れたい」として、スポーツクラブや文化発表などの遠征費用も支援している。町内には「小さな地区公園はあるが、1日中遊べる場所がない」という声から、約2億円掛けて遊具のある大規模な公園を整備した。

 最上位計画である町総合振興計画では「人口減少の抑制」実現を目指す。現在の人口は約1万4000人。国の推計では2060年に6000人を割るとされている。「最低でも1万人、目標は1万1000人を守っていきたい」と訴える。「子どもたちがふるさとに住みたいと思えるようなものをやっていきたい」と子ども中心の施策に意欲を見せる。

 町最大の玄関口である西郷港の整備にも注力する。飲食店が分散したことなどから「港周辺のにぎわいがなくなった」と話す。町長就任後から3年かけて、小学生~高校生の子どもも含めた地域住民と意見交換を実施。「島の人間としては新しい発見があった」とし、どういう港にしたいかという方向性を決めた。構想にはプロポーザル方式を採用し、全国から42件の応募があったという。

 審査には中高生も参加してもらい、結果を基に整備計画を策定。「全部刷新してやり直すのではなく、良いところは残してやっていく計画」と解説する。出雲大社西郷分院がある通りの景観は残しつつ、「海が見える道路と、島民も港周辺に出かけてにぎわいができるスペースをつくる」と意気込む。

 中学生が政策提案する「子ども議会」で「港は味もにおいも音もしない。そんな港をどうしていくのか」という質問があった時は「その通りだと思ったから余計にショックだった」と振り返る。整備が完了する10年後には、現在の子どもたちが大人に成長する。進学などのため、一度は町を離れても、いずれは「ふるさとに戻ってもらえる」港づくりを念頭に進めている。

 〔横顔〕16年から現職で2期目。就任以前は子どもたちへの野球指導が楽しみだったが、現在は「いたって無趣味」という。

 〔町の自慢〕空港と港湾があり、医療体制や商業施設も充実していることから、離島ながらも「生活は絶対的にできる」。その上、牛突きなどの文化や豊かな自然がある。

(了)

(2022年12月1日iJAMP配信)

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