2023/令和5年
66日 (

インタビュー 【トップインタビュー】成長、収益を意識して働く=早川尚秀・栃木県足利市長 2022/12/09 14:20

早川尚秀・栃木県足利市長

 日本最古の学校として知られる国指定史跡「足利学校」などがある歴史と文化の街、栃木県足利市。早川尚秀市長(はやかわ・なおひで=50)は、観光や企業誘致を柱にした経済振興に取り組んでいる。「今は行政運営から都市経営と言われている。経営という以上、財政を豊かにして市民の生活水準を上げる。役所も成長性や収益性を意識した働き方をしなくてはいけない」と話す。

 市長は観光業の重要性について「裾野の広い産業だ。人口が減っている分、外需を取り込み、経済を活性化させる」と説明する。

 市内にはイルミネーションで有名な「あしかがフラワーパーク」などがあるが、そうした観光スポットだけに寄って帰ってしまう人も少なくない。「滞在を長くしてもらうには、他の場所の魅力を高めなくてはいけない」。10月から足利学校の運営業務を観光協会に委託した。「民間のノウハウを使って、磨き上げてもらいたい」と期待する。

 また、新型コロナウイルス感染症の水際対策が緩和されインバウンド(訪日客)の回復も期待される。「足利の歴史や文化財は京都や鎌倉に負けない」と自負しており、外国人旅行客からの需要はあると見込む。「足利にしかない魅力を磨き、トップセールスなどで情報発信していく必要がある」との考えだ。

 市では現在、約19ヘクタールの「あがた駅北産業団地」を造成している。北関東道や東北道、関越道が近くを走り、企業からのニーズは多いという。「前回、産業団地を造成したときは、完売してから今回の産業団地の造成に取りかかったために8年間のブランクが空いてしまった。その間に38件合計78ヘクタールを超えるニーズがあり、全て断らざるを得なかった」という反省を生かし、庁内ではすでに新たな産業団地造成に向け検討を進めている。

 また、海外との交流も拡大するつもりだ。特にベトナムとは「人材の確保と投資、観光留学など仲良くしていきたい」と話しており、12月下旬には訪問して現地企業などとの関係構築を図る。

 ベトナム人材の受け入れにも「互恵関係をつくっていきたい」と意気込む。足利市では、職場改善のための「5S(整理、整頓、清掃、清潔、しつけ)」の活動が盛んで、過去に2回も世界サミットを開催するなど「5Sの先進地」だ。「安い労働力ではなく、向こうは5Sを学ぶメリットがあり、われわれも人材確保できる。いい関係を築いていきたい」と話す。

 〔横顔〕足利銀行勤務を経て、2003年に栃木県議当選。県議を5期18年務めた後、21年から足利市長。趣味は映画鑑賞とドライブ。

 〔市の自慢〕チャレンジ精神を持つ人を歓迎する気風。市長は「足利学校は全国の学徒が集い、さまざまことを学んだ。そうした原点があるので、誰でも目標を持ってチャレンジできる」と呼び掛ける。

(了)

(2022年12月9日iJAMP配信)

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