2023/令和5年
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インタビュー 【トップインタビュー】人口減少への挑戦、市民会議で議論=菅原茂・宮城県気仙沼市長 2022/12/14 08:30

菅原茂・宮城県気仙沼市長

 宮城県随一の水産都市、気仙沼市の菅原茂市長(すがわら・しげる=64)は4月末に、4期目を迎えた。今後の最大の市政の課題に人口減少への対応を挙げ、近く市民会議を立ち上げて解消に向けた議論に着手し、地方創生に挑む。

 1、2期目は、東日本大震災からの復旧・復興で、市民も市政も「もがきながらの8年間」だった。3期目には震災10年を迎え、三陸自動車道が同市まで開通。気仙沼大橋が完成したほか、NHK連続テレビ小説「おかえりモネ」の舞台となり、「市民が一定程度の復興を感じることができた」と振り返る。

 震災前は7万人を超えていた人口も、現在は6万人を下回った。市はこれまでも移住・定住政策を進めたが、「行政だけでは限界があると痛感した」。4期目では選挙公約に掲げた総勢100人規模の市民会議を、公募などを通じて今年度中をめどに創設。市民と一丸で課題解決に取り組む。

 議論で目指すのは、「気仙沼に住んで良かった」と実感できるまちづくりだ。人口減少の緩和もさることながら、住民の満足度に着目したいと強調。市民会議では雇用環境や子育てなどをテーマに議論を重ね、政策に反映させつつ、市民・地域活動の活発化も図る考えだ。

 近年新たに、気候変動による不漁問題も浮上している。経済基盤である水産業が揺らぐ状況に不安が募るが、「それでも水産都市の看板は下ろすことはない」と断言。復興計画から好不漁に左右されない水産業を構築してきたからだ。中でも、30社を超える地元企業と立ち上げた気仙沼水産資源活用研究会は、付加価値の高いオリジナル商品開発や販路の拡大に注力している。

 自然との共生は「震災によって明確な市民のアイデンティティーになった」。震災の半年後、行方不明者の捜索が続く中で、復興計画の副題として選んだ市のキャッチコピーは「海と生きる」。「被災地であるかないかにかかわらず、地方創生が挑戦するべき大テーマだ。持続可能な水産都市としてのブランディングを強化したい」と話した。

 〔横顔〕衛星放送でドキュメンタリーや映画を見るのが趣味。最近ではハリウッド発のドキュメンタリー・シリーズ「奇跡の星」に触発されたという。

 〔市の自慢〕新鮮な海産物はもちろんだが、市発祥のコーヒーブランド「アンカーコーヒー」も一押し。港街を見渡すオープンテラスの店舗もあり、「市内にスターバックスがないのはアンカーがあるから」と太鼓判を押す。

(了)

(2022年12月14日iJAMP配信)

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