インタビュー 【トップインタビュー】「男女が輝く栃木」の実現に取り組む=福田富一・栃木県知事 2023/01/04 08:30

今年6月、栃木県日光市で先進7カ国首脳会議(G7サミット)に伴う男女共同参画・女性活躍担当相会合が開催される。福田富一知事(ふくだ・とみかず=69)は会合開催を契機に「男女が輝く栃木の実現に向けて、オール栃木で取り組む」と力を込める。
2022年度の県政世論調査では、社会全体での男女の地位について「男性優遇」と感じている県民が70.8%を占めた。男女別では、女性の数値は男性を6.2%上回っており「女性からすると男性優遇社会に見える」と受け止める。県はすでに男性による家事分担の促進など男女共同参画に向けた取り組みを進めており「女性が就業を継続できる社会の実現を目指すことは急務だ」と捉えている。さらなる取り組みを図りたい考えで、6月の男女共同参画担当相会合が男女平等実現の推進力となることを期待する。
今年8月にはJR宇都宮駅東口から芳賀・高根沢工業団地までの14.6キロをつなぐ次世代型路面電車(LRT)が開業する。福田知事も長年にわたり事業に関わっており「構想が立ち上がってから30年の成果がやっと表れる」と感慨深げだ。開業効果として、公共交通空白地の解消や渋滞緩和、沿線開発による地域の活性化などを期待する。LRT開業に合わせてJRにサイクルトレインの運行を働き掛けていく考えも示した。同じく自転車の持ち込みを検討しているLRTなどを使うことで、県民や観光客の行動範囲が広がる見込みだ。
2023年度に重点的に取り組む事として「国体のレガシー継承」「女性活躍の推進」「コロナ対策とポストコロナを見据えた産業の競争力強化」「DX・カーボンニュートラルの推進」などを挙げる。中でもカーボンニュートラルについては、行動指針などを示した条例案の2月議会上程を予定している。「条例で県民と事業者の責務と役割に応じた取り組みを支援する」と述べた。
去年1年間では「国体と全国障害者スポーツ大会を無事やり遂げることができ、最大の取り組みだった」と振り返る。「環境に配慮した大会運営や感染対策の徹底、県民のおもてなしにより、選手らは県の魅力を感じてもらえたと思う」。両大会の開催を通じてスポーツ選手の育成強化のノウハウなどを培った。そうしたレガシーを生かすため「『とちぎスポーツの活用による地域活性化推進戦略(仮称)』を策定しており、大規模大会の戦略的誘致やスポーツツーリズム推進に取り組んでいく」と意気込む。
〔横顔〕県職員を退職後、宇都宮市議会議員、栃木県議会議員、宇都宮市長を歴任。04年に知事に初当選し、現在5期目。趣味はハイキング。
〔県の自慢〕日光国立公園や渡良瀬遊水地など自然が豊か。また、県内総生産に占める第2次産業の割合が高く、多くの技術者が活躍している。
(了)
(2023年1月4日iJAMP配信)