インタビュー 【トップインタビュー】市民目線で持続的なまちづくりを=鹿間陸郎・千葉県東金市長 2023/01/11 08:30

千葉県の中央に位置し、九十九里地域の中核都市として発展してきた東金市。2019年の房総半島台風や新型コロナウイルス感染拡大など厳しい状況が続く中、2期目を務める鹿間陸郎市長(しかま・りくろう=72)は「市民目線をもって、持続的に発展するまちづくりに努めたい」と語る。
市は、圏央道や国道126号、千葉東金道路といった広域的な道路網の結節点に当たるため、「自力のある地域だと思う。人流と物流が期待できる東金のポテンシャルを生かしたい」と意気込む。21年3月には第4次総合計画を策定。計画期間10年間の2年目にあたる22年度は、計画を具体化する「展開の年」と位置付けた。
人口減少が本格化する中、若年層が住みやすい環境づくりに力を注ぐ。このうち、子育て支援では、市立保育所などを民間の認定こども園へ移行するなど、官民一体による幼児教育保育の環境整備で多様化する保育ニーズに対応する。一方、企業誘致では「企業立地適地バンク制度」を創設。市内での立地を希望する企業に対し、立地に適する土地情報を提供することで、企業と土地の所有者のマッチングを行う。
道の駅「みのりの郷東金」では、市と三友プラントサービス、スターバックスコーヒージャパンとの包括連携協定の下、スターバックスコーヒーの環境配慮型店舗「グリーナーストア」の国内2号店がオープン。店舗で出たコーヒー豆かすを牛の飼料としてリサイクルするなど、循環型社会の実現に向けた取り組みが進む。
大学卒業後は千葉市役所に38年間務め、地域振興などの業務に当たった。当時から大切にしてきた「市民目線」は、市長就任後も変わらない。総合計画の策定では、各地区や商工団体、高校など市内30カ所以上を回って、市民の声を反映した。「誇りを持って次世代に引き継げるまちづくりに取り組む」と力を込める。
〔横顔〕青山学院大卒。18年初当選。趣味は読書で、よく本を買いためて「乱読」する。一番読み返したのは、司馬遼太郎の「峠」と山崎豊子の「沈まぬ太陽」。
〔市の自慢〕桜の名所として知られる八鶴湖は、江戸期に徳川家康がタカ狩りに訪れた際、宿泊所である「東金御殿」からの眺望を良くするためにつくられた。湖畔には約300本のソメイヨシノが立ち並ぶ。
(了)
(2023年1月11日iJAMP配信)