2023/令和5年
131日 (

インタビュー 【トップインタビュー】村の資源磨き上げる=小山手修造・奈良県十津川村長 2023/01/12 08:30

小山手修造・奈良県十津川村長

 奈良県の最南端にある十津川村。面積は約670キロ平方メートルあり、「日本一広い村」として知られる。この村に2021年4月、20年ぶりの新リーダーとして就任したのが、小山手修造村長(こやまて・しゅうぞう=59)だ。観光地や森林といった「村の資源の多さを再認識した」そうで、これらの資源について「どうやって磨き上げるかが大きな課題」と話す。

 村には、長さ約300メートルの「谷瀬の吊り橋」や世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の構成資産「玉置神社」などの観光地があり、年間45万人以上が訪れる。一方、村の面積のほとんどを占める森林は、多くが人の手が入らないままだ。

 そこで描いているのが、林業従事者がオフシーズンは観光に携わるなど労働力を効果的に組み合わせて「林業と観光のシナジー効果」を狙う構想。「森林に手を加えながら、観光に生かしていく取り組みにしたい」と話す。

 防災も重要な課題だ。11年9月の紀伊半島大水害で、村は甚大(じんだい)な被害を受けた。その後、連絡手段の途絶を防ぐため各地区に衛星携帯電話を配備するなど対策を進めてきた。ただ、最近は「(村民の)危機意識が少し薄れている」とも感じている。そのため、来年度以降、庁内に危機管理専門の部署を立ち上げる予定。さらに、孤立集落を発生させないため、林業の作業道を迂回(うかい)路として整備する取り組みも進める考えだ。

 子育て世帯の移住・定住促進に向けては「住宅の供給に尽きる」と話す。村内に賃貸住宅が少ないことを課題と捉え、22年度に補助制度を創設。賃貸住宅を建設する個人や事業者に一戸当たり最大150万円を補助する内容で、既に制度を利用して数棟の建設が進む。村の保育所の拡充にも取り組む考えで、「(子どもたちが)のびのびと遊べる施設にしたい」。

 職員には、事業のゴールを常に考えるよう呼び掛けている。「目的から乖離(かいり)しているケースも多い。そもそもの目的を自問自答してほしい」と話した。

 〔横顔〕野村証券社員を経て16年6月に副村長、21年4月に現職。自動車免許は副村長就任を機に村にUターンした後取得した。妻の送迎で奈良市内の教習所まで3時間ほどかけて通ったという。

 〔村の自慢〕天然水や掛け流しの温泉など「特別なものが当たり前」なこと。全国各地に村出身者でつくる「郷友会」と呼ばれる組織があり、ネットワークが強い。

(了)

(2023年1月12日iJAMP配信)

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