2023/令和5年
66日 (

インタビュー 【トップインタビュー】元気な高齢者増やし、活気を=藤井弘之・岐阜県神戸町長 2023/01/16 08:30

藤井弘之・岐阜県神戸町長

 岐阜県西部の平野に位置する神戸町は、名古屋市や岐阜市へのアクセスが良い地域だが、人口減少や少子高齢化の問題に直面している。藤井弘之町長(ふじい・ひろゆき=66)は、「町に活気がないと若者の定住者を増やすことができない。若者世代への支援だけでなく、元気な高齢者を増やして活気を取り戻す」と意気込む。

 町の高齢化率は33%を超え、県平均を上回っている。「高齢者率が高いということは、医療費負担もそれなりに大きい。元気なお年寄りを増やすことが大事になる」と語る。

 家に閉じこもる高齢者も多いため、交流の機会を増やすことに力を入れている。さまざまな教室を開催しているほか、町内の寺を活用して、カフェとして飲食物を提供する催し物などを開き、幅広い世代との交流を促進。「『フレイル』予防をはじめとした政策もどんどん推進する。世代間交流を増やし、町全体で活気をつくり出したい」と話す。

 もちろん、若者世代に対する支援にも力を入れており、定住や町外からの移住者確保を目指す。雇用確保のための企業誘致を進めるほか、高校生までの医療費無償化なども積極的に展開している。

 町長に就任してからの約半年間、コロナ対策や物価高騰に対する家庭への支援などに取り組んできた。「やるべきことが多く、めまぐるしく時が過ぎた」と振り返る。副町長から町長になったが、行政出身の町長では何も変わらないとの声もあったという。ただ「行政の経験を生かすのはもちろんだが、完全にリセットした気持ちで就任した」と強調。「町長は決断力が重要になる。現場の声を聞き、集まった意見を具現化したい」と力を込める。

 〔横顔〕趣味はランニングで、月150キロほど走る。家の前の畑にはビニールハウスもあり、メロンやピーマンなどを育てている。妻と一緒に収穫するのが楽しみ。

 〔町の自慢〕地盤が堅く、災害の影響がほとんどない。町内がほぼ平地のため移動もしやすく、住むのに適している。バラ栽培が盛んで、開花時期には多くの観光客が訪れる。

(了)

(2023年1月16日iJAMP配信)

同一カテゴリー記事