2023/令和5年
128日 (

インタビュー 【トップインタビュー】知事会改革「前例とらわれず挑戦」=平井伸治・鳥取県知事(全国知事会長) 2023/01/26 08:30

平井伸治・鳥取県知事(全国知事会長)

 全国知事会長を務める鳥取県の平井伸治知事(ひらい・しんじ=61)は「闘う知事会」から「共に闘う知事会」を掲げてきた。知事会は政府と折衝するだけでなく、国民が連帯するためのかすがいの役割も果たし始めているとみる。その上で「(知事会)改革はまだ緒に就いたところ。前例にとらわれず、まとまってやる仕組みづくりに挑戦したい」と意気込む。

 昨夏、奈良県で3年ぶりに対面開催された全国知事会議では「地方自治・地方政治」「脱炭素・地球温暖化対策」「LX(ローカル・トランスフォーメーション)とデジタル田園都市国家構想」の三つのテーマに分かれて知事や有識者らが話す「セッション」が新たに行われた。全米知事会を参考にした取り組みで、「国のけん引役として、政策をつくり上げる道が開かれた」と期待感を示す。今夏、山梨県で開かれる全国知事会議に向けては「仲間の知事としっかり計画を練り、実りの多い大会にしたい」と話す。

 昨年、新型コロナウイルス感染者の発生届を高齢者らに絞る全数把握の見直しが行われたが、第1弾となる先行実施県が鳥取県を含めて4県にとどまり、足並みも乱れた。「『第8波』になり、あの方針転換がなければ、今厳しい状況になっていただろう。紆余(うよ)曲折あったが、各都道府県がまとまって最終的には動けた」と振り返る。政府はコロナの感染症法上の位置付けについて「2類相当」から「5類」に今春、移行する方針だ。「5類になっても感染症は続く。次の感染の波は来ると考えたほうがいい。(今後も)現実に即した対応を政府に強く求めたい」

 県知事としては今月、5選出馬も表明した。「多くの県民から『平井立つべし』との言葉をもらい、身をささげようと決意した」と説明。次の4年間はウィズコロナからポストコロナへ移る時代であるとした上で、「物価高や燃油高といった情勢の中で、(県内の)産業・雇用・生活を立て直す必要がある。もう一度『鳥取再興』を目指したい」と力を込める。

 〔横顔〕東大法卒。自治省(現総務省)に入り、鳥取県副知事などを歴任。07年から現職。岸田文雄首相は開成高校の先輩。趣味はトレッキングで、知事公邸近くの久松山を登る。

 〔県の自慢〕神話「因幡の白兎」に登場する白兎神がまつられる「白兎神社」が鳥取市にある。今年はうさぎ年。「(うさぎは英語で)ラビットだけにコロナ禍からラピッドに解放される年にしたい」と得意のダジャレも忘れない。

(了)

(2023年1月26日iJAMP配信)

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