政府が脱炭素戦略加速に向け、昨年末に示した「ＧＸ（グリーントランスフォーメーション）実現に向けた基本方針」について、原発建て替えの対象地域を、廃炉となる原発の「敷地内」に限定する方向で調整していることが３０日、分かった。公明党を中心とした与党内の原発慎重派に配慮したとみられる。

　基本方針では、原発の建て替え推進や運転期間の延長など原発の活用策が盛り込まれた。このうち建て替えは、「地域の理解確保を大前提に、廃止決定した炉を対象に具体化を進める」としていたが、これを修正し、廃炉を決めた原発の敷地内に限ると明確化する見通しだ。

　政府は、２２日まで基本方針に関する意見公募を実施。集まった意見も踏まえ、２月上旬にも閣議決定する。