2023/令和5年
531日 (

インタビュー 【トップインタビュー】誰一人取り残さない町に=小野沢豊・神奈川県愛川町長 2023/03/31 08:30

小野沢豊・神奈川県愛川町長

 「未曽有のコロナ対策などの経験でたくさんの気付きがあった」。現在3期目に入っている神奈川県愛川町の小野沢豊町長(おのざわ・ゆたか=70)は、新型コロナウイルスや東日本台風への対応に追われた4年間を振り返った。3月には第6次愛川町総合計画を策定。「誰一人取り残さない共生のまち愛川」を掲げ、持続可能なまちづくりに取り組む。

 2019年は町内で受刑予定者の逃走事件が発生。東日本台風では相模川が決壊した。20年からはコロナ対策に奮闘した。「町民の命を守ることが第一だった」として、町民に寄り添ったワクチン接種体制の確立に取り組んだ。町の文化会館の一般向け貸し出しを取りやめ、集団接種会場とし、ワクチン接種を進めた。

 「2期目の任期中には実現したい」と語っていた、中学校での完全給食は20年9月から開始された。小学校の給食調理室を改修。小学校で調理したものを中学校に配達する「親子方式」を採用した。小学校の給食室で作った給食を中学校に運ぶと、給食室が工場扱いになるが、県と協議し、特例で認められた。「(完全給食になって)みんな喜んでいる。やってよかったなと思う」と笑顔を見せた。

 第6次愛川町総合計画では、34年度の目標人口を3万8000人に設定。23年3月1日時点の人口は3万9604人。人口減少対策として、2歳未満の子どもがいる世帯に町内のドラッグストアで使える育児用品助成事業などを行っている。「社会増を増やしたい。移住、定住、子育て対策に力を入れる」と意気込む。

 町の魅力発信として17年から始めた宮ケ瀬ダムをライトアップして夜に行う「ナイト放流」を昨年、3年ぶりに開催した。定員1000人に対し、全国各地から8000人を超える応募があった。

 宮ケ瀬ダムのナイト放流はダム愛好家などが選ぶ「日本ダムアワード2022」の大賞を受賞した。「今度は定員を増やして、少しスケールを膨らませておこうかな」と語った。

 〔横顔〕趣味はガーデニング。自宅の庭で紅梅を育ているという。

 〔町の自慢〕愛川町の自然。特に町営の水道は中津川から地下で吸い上げているためおいしいという。

(了)

(2023年3月31日iJAMP配信)

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