2023/令和5年
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インタビュー 【トップインタビュー】新幹線駅生かし移住促進=平尾道雄・滋賀県米原市長 2023/04/26 08:30

平尾道雄・滋賀県米原市長

 「リニアが開通すれば、米原は首都圏になる」と語るのは、滋賀県米原市の平尾道雄市長(ひらお・みちお=72)。県内唯一の新幹線停車駅を持つ強みを生かし、市へ移住・定住する人の取り込みを目指している。

 JR米原駅は、新幹線の「ひかり」で新大阪駅から約35分、名古屋駅からは約30分の距離に位置する。市は2022年度、40歳未満の市外からの転入者を対象に新幹線通勤の定期代を補助する制度を新設した。平尾氏は「米原の強みはアクセス性だ」と強調する。品川―名古屋間のリニア中央新幹線が開通すれば米原―品川間は1時間10分程度に短縮されるといい、首都圏へ通勤する人の誘致にも意欲を示す。

 ただ22年度は、定期代補助の条件として市内の住宅所有を掲げたこともあり、利用は振るわなかった。平尾氏は「23年度から賃貸で暮らす移住者も対象にした。定住増につなげたい」と意気込む。

 旧米原町職員の出身。旧米原町を含めた3町の合併時に合併協議会事務局長として働いた経験から周囲に推され、05年に初代市長に就任した。1期目は「合併協定書通りにあれもこれも切ったら総スカンだった」と語るように4年後の市長選では落選したものの、13年の選挙で返り咲いた。

 「1期目は職員目線というか、こういうものと決め付けていたところがあった」と振り返る。落選中に地域の生の声を聞き、市長復帰後の高齢者らの居場所をつくる政策などにつなげられたという。

 定住増加につなげるため、今年10月からは医療費無償化の対象を18歳まで拡充するなどの子育て支援に取り組んできた。今後は若者の結婚支援にも力を入れる考えだ。「子どもを産んでもらうためどうしたらいいか、根本的に考えないといけないと思っている」と力を込めた。

 〔横顔〕妻、息子夫婦、孫2人と市内に住む。楽しみは、家でのメダカやコイの飼育や冬に向けてのまき割りなど。「集中しているとストレス解消になる」と言う。座右の銘は「我以外皆我師也(われいがいみなわがしなり)」

 〔市の自慢〕「泉神社湧水」と「居醒(いさめ)の清水」が環境省選定の名水に選定されている。

(了)

(2023年4月26日iJAMP配信)

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