2023/令和5年
531日 (

インタビュー 【トップインタビュー】特別自治市で二重行政解決を=大森雅夫・岡山市長 2023/04/28 08:30

大森雅夫・岡山市長

 政令指定都市が持つ権限などを巡り、岡山県との間で「二重行政」などの課題を抱える岡山市。大森雅夫市長(おおもり・まさお=69)は、政令市について「制度面では、国としても整理できている部分がある」としつつも「地方自治と選挙制度の間で整合性がとれていない部分があるのではないか」と疑問を呈する。その上で、課題の解決手段として「特別自治市」の導入を提唱する。

 大森市長は「岡山県の場合、4割近い有権者が岡山市にいる。知事としても、この4割を相手に(施策を)考えていかなければならない」と指摘。市内選出の県議も「県に働き掛けて選挙区に直接的な影響を及ぼすことが(制度上)できない。市議を通じて、市へ働き掛けることになる」と語る。

 例えば本来、政令市が権限などを持つ義務教育について、大森市長は「(県は)責任を持たないため(市内に)施策を講じることができないはずだが、有権者が多いため関与したがってしまう」と説明する。

 こうした県と市の二重行政の解決手段として、「市としては『特別自治市』と呼び、制度的に完全にすっきりさせた方がいいのではないか」と提案。県が持つ市への助言といった権限を完全になくしていくべきだとの考えを示し、「しっかりと国会で議論してもらいたい」と、今後も国へ働き掛ける方針だ。

 このほか、市政については「さまざまな取り組みを進めてきた。民間の動きも活発で、市が成長している姿が誰の目にも見える形になっている」と振り返り、JR岡山駅への路面電車乗り入れ工事や今年9月に新しい市民会館「岡山芸術創造劇場ハレノワ」が開館することなどを通じて、さらに市の魅力向上を目指す。

 〔横顔〕趣味は高校生から市長になる直前までずっと続けてきたテニス。好きな言葉は「不易流行」。岡山の持つ本質を変えないで、変化させるべきことはやっていこうという願いを込めている。

 〔市の自慢〕岡山市は都市型と自然型の生活が両立できる場所。昨年リニューアルオープンした岡山城や全国でも有数の規模を誇る造山(つくりやま)古墳などがある。

(了)

(2023年4月28日iJAMP配信)

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