2023/令和5年
531日 (

インタビュー 【トップインタビュー】「人の温かさ」が魅力=山川百合子・埼玉県草加市長 2023/05/22 08:30

山川百合子・埼玉県草加市長

 日光街道第2の宿場町にある名所「草加松原」が江戸時代の俳人、松尾芭蕉の「奥の細道」に登場し、名産品である「草加せんべい」の名前でも全国的に知られる埼玉県草加市。歴史と文化が息づくまちであると同時に、山川百合子市長(やまかわ・ゆりこ=53)は「いい人が多い優しいまちだ」と、市の魅力に人の温かさも挙げる。

 4月に左足を骨折し、車いす生活を強いられているが、「段差でうまく進めないときに『大丈夫ですか』と声を掛けられたり、駅のエレベーターのドアが閉まらないように抑えてくれたり、物を落としたときにさっと拾ってくれたりした」と親切な市民が多いことを実感。「ぶらって草加 まち歩きMAP」を作成するため市内を巡った立教大の学生から「草加の人の温かさに気付いた」などと言われ、「外から来た人もそう思われるのはすごいことだ」と、人の温かさを改めてかみしめる。

 昨年10月の就任時から力を入れたいと語るのは子育て政策。人口20万人以上の自治体では全国初となる、18歳までの医療費無料化の2024年度スタートに向け準備を進めている。子育てだけではなく「子育ち」も重視しており、子どもが豊かに育っていける環境を整備していく。

 半年を振り返り「市の職員がおとなしくて生真面目だ」と指摘。これまでも「対話」の重要性を強調しており、職員とのオープンなコミュニケーションの必要性を痛感する。広い視野を持って市政について熱く議論し、「子育て世帯に選ばれる町」をはじめ、市民と共にまちづくりを進めていく考えだ。

 4月に市役所の新庁舎が完成、内部を吹き抜けにし、最上階の10階にテラスを設けて、市民がいつでも利用できる明るい庁舎へと生まれ変わった。「市民から『テラスがいいね』と言っていただける」と、市民の憩いの場になったという手応えを感じている。

 〔横顔〕草加市出身。埼玉県議、衆院議員を経て昨年10月に市長就任。心に留めている言葉は「敬天愛人」。マイブームは花を飾ることと犬の動画を見ること。「ひとりぼっちにするのはかわいそうだから」と、犬を飼うのは断念し、動画で癒やされている。学生時代に2年間取り組んだ登山を再開したいと考えており、北アルプスの槍ケ岳に憧れがある。

 〔市の自慢〕草加せんべい。「米の味から違う。来て焼いて食べてみて」(市長)。全小中学校内で調理する自校式の給食も自慢で、草加せんべいも全校が焼いている。

(了)

(2023年5月22日iJAMP配信)

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