2023/令和5年
925日 (

インタビュー 【トップインタビュー】「したいこと」をかなえられる市に=井出敏朗・石川県能美市長 2023/06/05 08:30

井出敏朗・石川県能美市長。パソコンの画面には伝統工芸品の九谷焼が見える

 「したいこと、能美市だったら叶うかも」をキャッチコピーに掲げる石川県能美市。井出敏朗市長(いで・としあき=60)は「1人でも多くの市民がしたいことをかなえられるように支援していきたい」と話す。

 市は保育所や児童館の整備を進め、休日に遊べる場所も増やしている。市内には動物園や遊園地、アスレチック施設などがあり「1日居ても飽きない」が売り。市民からは「子育てしやすい」「支援が充実している」との声が上がっているという。子育てに悩む親が気軽に相談でき、切れ目なくサポートできるような体制も整備。「子育て世代に選ばれるまちにしたい」と意気込む。

 政治信条は「市民ファースト」と「現地現場主義」。市民の生活の変化と同時に課題や要望も刻一刻と変わりつつあり、現場に行きたいという思いが強まる。学校の入学式や運動会などの行事があれば積極的に参加しており、市民からの認知度は高く、市内を歩けば子どもから大人まで声を掛けられる存在だ。

 また、事前に提案された議題について市民と意見交換する「タウンミーティング」や、市内の団体などを訪問して身近なテーマを気軽に話し合う「能(の)ん美(び)りカフェトーク」を通じ、市民と交流する。

 「机の上で判断するのではなく、自分の五感を使って確認していくことを大切にしている」と強調する。市職員にも現場に行くよう勧めており、最近では職員から「こんなことに取り組んだらどうか」と提案される機会も増えてきたという。

 2024年春には、北陸新幹線が県内全線で開業予定。これを千載一遇の機会と捉え、観光誘客のみならず、企業誘致や移住定住の促進にもつなげ、交流人口を拡大したい考えだ。

 最大の課題は市の知名度が低いこと。市出身の松井秀喜氏を名誉観光大使に任命するなど、「大都市圏でもPRする機会を増やしたい」。加えて、北陸新幹線延伸により第三セクターの駅に生まれ変わる能美根上駅舎の有効活用も検討中で、「電車に乗らない人も行ってみたいと思える駅にしたい」と語る。

 今後の目標は「移住定住の促進が最終的な目標。そのためにやりたいことがいろいろとある」と意欲を見せる。

 〔横顔〕趣味はオートキャンプと散歩。コロナ禍では、市内のパトロールを兼ねて多い日では2万歩も歩くこともあったが、最近は多忙で趣味にかける時間がないことが悩み。

 〔市の自慢〕市民。能美市が大好きな市民も多く「ボランティア活動などに積極的に参加し、より良い市にしようとしてくれている」。

(了)

(2023年6月5日iJAMP配信)

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