インタビュー 【トップインタビュー】最年少市長、教育改革に挑戦=高島崚輔・兵庫県芦屋市長 2023/06/26 08:30

4月の統一地方選で初当選し、全国最年少市長として脚光を浴びた兵庫県芦屋市の高島崚輔市長(たかしま・りょうすけ=26)。「芦屋を世界一住み続けたい街にする」と訴え市政トップに立った今、まず重視するのが教育改革だ。公立学校の再興に向け、子どもたちの声も含めて積極的にすくい上げていく意向で、「教育が良くならないと、芦屋の未来は良くならない」と力を込める。
六甲山の麓に位置し、洗練された高級住宅地として知られる芦屋市だが、高校や大学を卒業するタイミングで街を離れる若者が多く、人口減少は悩みの種。そうした若者のUターン率を上げるべく、「18歳までに地元に愛着を持ってもらえるかが決定的な差になる」と強調する。
そのためには何が必要なのか。体験学習やイベントなども重要だが、「自分が声を上げたことで起きた変化や、自分が何かしたという成功体験がすごく大事」。例えば芦屋市の公立中学には、街中の道を歩いて自主的にゴミマップをつくっている中学生がいるといい、「こうした芽を摘まず、むしろ後押ししたい」と語る。
就任から間もない5月に高校生と交流し、6月には小学校を訪問。7月には市内の中学校を回る。子どもたちと直接意見を交わすのは、「小中高生がやりたいことを実現できる環境をつくることが、遠回りのようで一番大事」と考えるからだという。
芦屋市を「場と人」に恵まれた自治体と位置付ける。「やりたいことを持っている人がたくさんいるが、行政がコラボできていない、(市民の)力をうまく引き出せていない」と痛感している。市政運営では住民との連携を重視し、さまざまなレベルで対話集会を続けていく考えだ。
大阪府箕面市出身で、米ハーバード大学を卒業。華麗な経歴にスポットが当たるが、芦屋市役所でインターンをした経験などから、挑戦の場に同市を選んだ。インターン時代に交流した職員も多く、「分からないことは当然あるが、(職員とは)話しやすいし、聞きやすい」。多忙な日々が続き、「小説が読みたいが、その時間がない」のが悩みだ。
〔横顔〕好きな言葉は「チャンスの神様には前髪しかない」。チャンスは後からつかもうと思っても遅いという意味で、引っ込み思案だった幼少期に母親から聞かされた。
〔市の自慢〕「市民力」。桜の時期や紅葉の時期、自主的に集まって花びらや落ち葉を掃除する人々の姿が一番の誇りだという。
(了)
(2023年6月26日iJAMP配信)