2023/令和5年
925日 (

インタビュー 【トップインタビュー】「全国で最小」の自治体に=瀬野憲一・大阪府守口市長 2023/06/27 08:30

瀬野憲一・大阪府守口市長

 4月の大阪府守口市長選で初当選した瀬野憲一市長(せの・けんいち=58)。3期12年務めた西端勝樹前市長の方針を引き継ぎ、行財政改革の推進に意欲を示す。市の職員数は人口比で見て全国の類似団体で既に3番目に少ないというが、「全国で最小の自治体にという思いがある。数ありきではいけないが、行政運営を効率化すれば数字は付いてくる」と意気込む。

 「今思うと、もともと守口に縁があった」と振り返る瀬野氏。1983年に大阪府庁に就職後、最初に勤務したのが守口市内の浄水場だった。2010年には、行財改革担当部長として市へ出向。西端前市長と共に行革プランの策定に携わった。「別の考えの人よりも自分の方が改革の歩みをさらに推し進めていけるのではないか」。西端氏が4選不出馬の意向を表明したことを受け、立候補を決意した。

 市長就任直後の5月、瀬野氏は自身を含む特別職の給与と退職金をカットすると発表した。生み出される財源は、任期中の4年間で計9590万円。「財源としては大きくないが、行政のトップ自らが身を切って我慢することで、職員はもちろん市民の意識改革の第一歩になればと考えた」と狙いを語る。

 改革の柱には、公民や自治体間の連携強化を掲げる。市はこれまでも窓口業務の民間委託や学校の統廃合などを積極的に推進し、およそ10年間で人件費を約100億円から約60億円まで削減してきた。瀬野氏はこうした取り組みについて、「ここまでやれている市はなかなかない」と評価。「職員が減る中で機能低下やミスが起きてはいけないので、見極めをしっかりやっていきたい」としつつ、民間委託のさらなる拡大を図る方針だ。

 捻出した財源は子育て世帯への支援などに充てる意向で、既に小学校給食の恒久的な無償化に着手した。背景には、0~5歳児の人口は増加する一方で、小学校入学前に市外へ転出するケースが多いという市特有の課題がある。瀬野氏は「小学生に定住してもらうことでまちも活性化するしにぎわいも出る。若い世帯が元気に過ごせるまちにしたい」と力を込めた。

 〔横顔〕趣味は料理。豚の角煮やローストビーフが得意で、正月には親戚に振る舞うこともある。

 〔市の自慢〕市民の憩いの場、スポーツの拠点となっている大枝公園をはじめ多くの美しい公園がある。

(了)

(2023年6月27日iJAMP配信)

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