2023/令和5年
925日 (

自治体便り 夏期特別展「茶色ばっかりじゃないんだぞ~カラフルな考古資料たち~」開催=神奈川県平塚市 2023/06/29 13:24

 平塚市博物館では夏期特別展として「茶色ばっかりじゃないんだぞ~カラフルな考古資料たち~」を開催します。「色」という視点から考古資料を紹介するのは、考古分野の展示では、なかなか見かけないテーマの展示です。

 考古学は資料の形や施された文様などを観察することが研究方法のひとつであり、通常の展示では資料を観察して読み取った情報を紹介しています。しかしその情報を、資料を見て理解するためには一定の知識が必要になるので、考古学に詳しくない人にとっては難しく、興味を持たれにくいものかもしれません。そこで特別展では私たちに身近な「色」という視点から考古資料を紹介し、基礎を知ることがなくても、モノをじっくり見て発見するおもしろさが伝わる展示を心がけました。

 遺跡から発見される考古資料は、土器をはじめとして素焼きの焼き物が多く、そのほとんどが褐色(茶色)系のものです。展示室に並んでいる資料も茶色のやきものばかりで、昔の人々は茶色のものに囲まれた生活を送っていたかのように思われがちです。それら茶色のものと比べると数は少ないながらも、赤彩土器や青いガラス玉類、緑釉(りょくゆう)陶器など彩色のある考古資料も見つかっています。顔料として使われたベンガラや緑青などを含め、市内で発見された「色」に関連する考古資料、約170点を公開します。

 本展示を機会として、郷土の歴史をより身近に感じてもらうとともに、「どうしてこの色を使ったのか」、「この色にどういう意味があるのか」といった答えのない探求も楽しんでいただければ幸いです。

主催
 平塚市博物館

日時
 令和5年7月21日(金)~9月3日(日)(会期39日間)
 休館日 月曜日
 開館時間 午前9時~午後5時(入館は午後4時30分まで)

場所
 平塚市博物館(平塚市浅間町12-41)

主な展示物
 実物資料約160点、写真資料10点 計約170点

展示構成
 序章:周りを見れば“色”ばっかり (導入として現在の身の回りの色のあるものを紹介)
 1章:あか
 赤彩土器【縄文時代ほか:真田・北金目遺跡群】や赤漆付着資料【縄文時代ほか:真田・北金目遺跡群】などの赤にまつわる考古資料の展示
 2章:あお 
 ガラス玉【古墳時代:城山横穴墓群】や染付【江戸時代:真田・北金目遺跡群】などの
 青にまつわる考古資料の展示
 3章:みどり
 緑釉(りょくゆう)陶器【平安時代:中原上宿遺跡ほか】や蛇紋岩(じゃもんがん)製勾玉(まがたま)【弥生時代ほか:真田・北金目遺跡群】などの緑にまつわる考古資料の展示
 4章:きいろ
 金銅製品【平安時代ほか:稲荷前遺跡ほか】やメノウ製勾玉【古墳時代:城山横穴墓群】などの黄にまつわる考古資料の展示
 5章:くろとしろ
 黒漆付着資料【縄文時代ほか:真田・北金目遺跡群ほか】、白磁【室町時代:中原上宿遺跡ほか】や貝輪【縄文時代:万田遺跡】などの黒と白にまつわる考古資料の展示

関連事業
 特別展示解説
 日時 
  8月5日(土)午前10時~10時45分 
  当日整理券制
 会場 
  博物館特別展示室
 募集定員 
  20名
 
 特別展示ウラ話
 日時 
  8月27日(日)午前10時~10時45分 
  当日整理券制
 会場 
  博物館特別展示室
 募集定員 
  20名
  
 体験学習「昔の方法で火を起こそう」
 日時 
  7月30日(日)
  午前10時~11時、11時~正午、午後1時30分~2時30分、2時30分~3時30分の4回
  事前申込制、往復はがきまたはWebフォーム
 申し込み締め切り 
  はがき 7月14日(金)
  Webフォーム 7月17日(祝)
 会場 
  博物館講堂および野外
 募集定員 
  各回20名

 体験学習「カラフルな勾玉をつくろう」
 日時 
  8月13日(日) 
  午前10時30分~正午、午後1時30分~3時
  事前申込制、往復はがきまたはWebフォーム
 申し込み締め切り 
  はがき 7月21日(金)
  Webフォーム 7月24日(月)
 会場 
  博物館科学教室
 募集定員 
  各回6組(一組につき応募者3名まで)
 参加費 
  200円

出版物
 特別展示図録『茶色ばっかりじゃないんだぞ~カラフルな考古資料たち~』
 A5版 112ページ
 一般販売価格未定 
 博物館受付で会期初日より販売予定

(2023年6月29日iJAMP配信)

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