ふるさと写真館 【ふるさと写真館】壮麗に「山あげ祭」=栃木県那須烏山市 2023/07/25 10:03

日本最大級の野外歌舞伎で460年以上の歴史を持つ栃木県那須烏山市の「山あげ祭」が21日~23日、同市内で行われ、観光客ら多くの見物人でにぎわった。
国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産にも登録されているこの祭りは、竹の骨組みに地元産の和紙を張り付けて山水を描いた高さ最大10メートルの「山々」を市街地に立ち上げ、奥行き最長100メートルに及ぶ壮麗な背景に仕立てる舞台設置が特徴。市内各所の会場に移動しながら主に3種の演目で1日5~6公演が行われ、裏方として支える約100人の若衆が素早く舞台の組み立て・解体を行うさまも見どころだ。
22日は、正午から同市役所烏山庁舎近くで、平将門の亡き後、娘の滝夜叉(たきやしゃ)姫が追っ手から妖術を使って逃れるさまを描いた「将門」が、午後2時半からはJR烏山駅前で、京の橋の上で出会った美女が実は鬼女だったという「戻り橋」が演じられた。三味線と唄に合わせて舞う踊り子の衣装や背後の風景が次々と変わる演出に、観客から歓声が上がった。
東京都港区の70代の男性は「民芸歌舞伎として面白いし、みな地元の人なのにうまいね」と感心しきり。同市出身の知人に誘われて横浜市から来たという20代半ばの会社員、宮脇葉子さんは「コロナ禍明けもあってかエネルギーがすごい。小さな子どもたちが憧れ、伝統が受け継がれてくれれば」と話した。(了)
(2023年7月25日iJAMP配信)