福島県二本松市で冷凍の牛肉を提供する移動式の自販機がお披露目された。同市役所前で行われたお披露目式には三保恵一市長も参加、自販機を前に「大いに利用いただきたい」と呼び掛けた。

　この自販機は市内で肉牛の生産や精肉加工を営む有限会社エム牧場が、冷凍商品を販売できる自販機を軽トラックの荷台に固定する形で開発した。家庭用のコンセントからの電源供給で稼働するほか、単独での稼働も可能だという。市内のレジャー施設やイベント会場に設置され、同社産の冷凍牛肉を提供する。

　同社はこれまで、コストの問題から生産した牛肉の販売は電子商取引（ＥＣ）サイトなどを利用しており、実店舗は持っていなかった。今回移動式の自販機を開発することで、人件費や自販機の設置費用、在庫管理の負担などを抑えた上でより安価で質の高い牛肉の提供を目指しているという。

　同社の吉田和社長は「移動式の自販機を使うことで販売に掛かるコストを抑えられた。物価高の中でもたくさんの人が牛肉を食べられる環境をつくることができれば」と話す。（了）

（２０２３年７月２５日ｉＪＡＭＰ配信）