インタビュー 【トップインタビュー】新たな厚木の未来づくり=山口貴裕・神奈川県厚木市長 2023/07/26 08:30

豊かな自然に恵まれ、住みたいまちとしての評価も高い神奈川県厚木市。市議や県議を経て、今年2月に初当選した山口貴裕市長(やまぐち・たかひろ=50)は、市長への挑戦を決めた理由を「市民の皆さんから市に対する物足りなさや閉塞(へいそく)感があるという声を聞く機会が多かった」と語り、「自分が取り組んできた経験と実績をもとに新たな厚木の未来づくりに取り組んでいきたい」と意気込む。
山口氏は、秦野市、伊勢原市、愛川町、清川村との連携を推進する県央姉妹都市構想を提唱している。観光分野などで4自治体との協力体制の構築を目指す。「(連携によって)観光においてもさらにメリットが出てくるだろうし、地域の活性化にもつながってくる」と話す。また、「各自治体の観光拠点のエリアもいろいろある中で、しっかりと磨き上げて、それを一体化しながら、多くの方々に来ていただけるようにしたい」と展望を語った。
具体的に磨き上げを図っていることについては厚木市が戦国大名の毛利氏発祥の地であることから、市内の関連スポットの掘り起こしや七沢温泉、飯山温泉といったあつぎ温泉郷を挙げ、「自然が豊富でもあり、魅力ある厚木として、観光の名所づくりに取り組んでいる」と話す。
厚木市の魅力を「交通の要衝であること」とする。要衝であることでソニーや日産自動車といった大企業をはじめ、企業の集積が進んでいる。「多くの法人税などで財政力が豊かになってくるので、市民サービスにしっかりと還元できれば」と話す。その上で、「市民サービス日本一を実現できる厚木であると期待しているし、それに取り組まなければいけない」と強調した。
市長選では「まずはやりたい八つの政策」を公約の一つとして掲げた。八つの政策うち、18歳までの医療費無償化は10月から開始予定だ。また、小・中学校の給食費無償化などについても実現に向けた取り組みを進めている。山口氏は「できるものは全てすぐやっている」と語る。公約の中でも「多くの皆さんが期待している」と話すのが小田急線の本厚木駅北口の再開発だ。「まだまだこれから」としつつも、「厚木らしい、北口駅前の再開発を進めている」と語った。
〔横顔〕趣味はスポーツ観戦と旅行。座右の銘は「意志あれば道あり」。愛読書は「君たちはどう生きるか」。
〔市の自慢〕物流の要衝であること。既にインターチェンジが五つあり、今後、厚木秦野バイパスができることで合計七つとなる。
(了)
(2023年7月26日iJAMP配信)