ふるさと写真館 【ふるさと写真館】正倉院宝物の模造品がお披露目=奈良市 2023/07/27 10:03

宮内庁正倉院事務所は、昨年完成した宝物の模造品「瑠璃の小尺」と「瑠璃の魚形」を報道陣に公開した。正倉院文書に記された鉛や銅を用いる古代のガラス工法を参考に宝物を再現したのは初めてだという。
奈良時代の貴族や役人は、中国唐の慣習にならい、実用と装飾を兼ねた飾り物を腰帯につり下げていた。小尺は携行用のものさしに由来し、魚形は宮廷に出入りする際に用いられた門鑑(許可証)が装飾化したものと考えられる。
宝物には気泡が多数見受けられることから型を使うのではなく、塊から直接削り出すことで当時の技法に寄せた。所長の飯田剛彦さん(55)は「宝物を再現することによって、古代の技法が浮かび上がってくる。将来的には二つを並べて展示したい」と話した。(了)
(2023年7月27日iJAMP配信)