インタビュー 【トップインタビュー】親の所得で子どもの夢を左右させない=本村賢太郎・相模原市長 2023/08/21 08:30

リニア中央新幹線開業に向け駅の整備が進む相模原市。今年4月の市長選で再選を果たした本村賢太郎市長(もとむら・けんたろう=53)は「教育格差が生まれないよう、親の所得によって子どもの夢や希望が左右されないようにしていかないといけない」と2期目の抱負を語る。
市の2022年度の転入超過数は全国の市町村の中で12位だが、0歳から14歳までに限ると59位。隣接する東京都町田市(2位)や八王子市(8位)に差をつけられている。「東京都は第2子の保育無料化や18歳以下に所得制限無しで5000円給付するなど大きな施策を打ってくる」と指摘。その上で、「子育て世代に選ばれる街でないといけない」と話し、子育て支援で他の自治体にない施策を積極的に打ち出す必要性を強調する。
10月からは中学生以下を対象に市営のスケート場やプラネタリウムなどを無料で利用できるようにする。来年度には子どもの医療費助成の対象を18歳まで拡大し、中学3年生までについては所得制限を撤廃する。加えて、橋本駅や相模大野駅周辺で理由を問わず子ども預かる休日一時保育を実施する予定。「今年度には子育て世代の親御さんを応援する条例を作っていきたい」と意気込む。
市の魅力は「都市と自然のベストミックス」。一方、「資源はたくさんあるが、これまでシティーセールスがあまりうまくできてない」と課題を挙げる。市を訪れる人が増えるよう、情報発信の強化や近隣自治体との広域連携などにも取り組む考えで、「相模原ファンを増やして、現地で体感してもらって、相模原に住んでみたくなったという人を増やしたい」と展望を語った。
〔市の自慢〕神奈川県内の上水道の水源の約7割を占める相模川水系を支える相模湖や津久井湖などがある。
〔横顔〕座右の銘は「政は民にあり」。趣味は釣り。最近はアユやブラックバスを釣りに行ったという。
(了)
(2023年8月21日iJAMP配信)