2023/令和5年
126日 (

インタビュー 【トップインタビュー】新しいことを率先導入=酒井大史・東京都立川市長 2023/10/05 08:30

酒井大史・東京都立川市長

 駅周辺に大型商業施設が並び、交通の要衝でもある東京都立川市。「新しいことを率先して導入したい」と話すのは、9月の市長選で初当選した酒井大史市長(さかい・だいし=55)。選挙公約に掲げた小学校の給食費無償化に関しては「至上命令だ。来年度予算には絶対に盛り込む」と力を込める。

 市長選では50の政策を掲げるとともに、「政策推し活キャンペーン」と題して、市民が実現を望む政策について「グーグルフォーム」を通じて選んでもらった。その結果、小学校の給食費無償化を求める声が多かった。1人当たり月額約5000円をゼロにすることで、「浮いたお金で教育費や塾代に充てたり、夕食のおかずを一品でも増やしたりしてもらいたい」と話す。

 多摩地域で給食費無償化を進める市は少ない。「先陣を切って行うことで、国や都に対して要望しやすくなれば」と期待する。財政的に実施が厳しい中学校給食の無償化実現に向け、近隣市と協力体制を築く方針だ。

 また、ふるさと納税による財源確保策にも注力する。2022年度は約7億円の財源が流出した。そこで、市民が市外に寄付するのではなく、返礼品は受け取れないものの市に寄付する環境をつくろうと思案している。「将来的には課題解決型のメニューを複数設け、寄付してほしい」と語る酒井市長。市民が求める事業が実施できるよう、財源の使い道を明確化した寄付先の設定を目指しており、「補聴器の利用や介護人材育成に関する助成制度などを寄付項目に加えたい」と語る。

 寄付先の設定は、若手職員の意見を取り入れながら、検討を進める方針だ。「7億円があれば小中学校の給食費を無償化できる。このまちを良くするために市に協力してほしい」と市民に呼び掛ける。

 今後の市政について「他の市がやっていないことをやっていきたい。そのためには、若手職員の新しく斬新な発想を受け止められる環境づくりをする」と意気込んだ。

 〔横顔〕2児の父。休日は娘と映画を見に行くことも。第1子誕生前は、ツーリングを楽しんでいた。

 〔市の自慢〕駅前に並ぶ大型商業施設と昭和記念公園。昭和記念公園では四季折々の植物が広がり、イベントも行われている。

(了)

(2023年10月5日iJAMP配信)

同一カテゴリー記事