インタビュー 【トップインタビュー】新たな農業振興にチャレンジ=本間芳之・新潟県弥彦村長 2023/10/26 08:30

弥彦公園の美しい紅葉でも知られ、多数の参拝者でにぎわう弥彦神社と全国唯一の村営競輪場を持つ新潟県弥彦村。本間芳之村長(ほんま・よしゆき=66)は地元テレビ局で大規模なイベントを手掛けた経験を生かし、観光や農業の振興を公約に掲げて今年1月、初当選した。「失敗してもいいから新しい農業にチャレンジしようという機運を醸成したい」と意気込みを語る。
村長選では①子育て支援②高齢者が幸せを感じる村づくり③人口減少対策④農業振興⑤村の観光のアップデート―を公約に掲げた。このうち、農業振興について、就農者を集めた「やひこ農業村民会議」を立ち上げ、課題の洗い出しや、新たなマーケティング手法について探り始めた。
「新しい農業や園芸にチャレンジしようとする人たちをバックアップしたい。弥彦スタイルの所得補償制度をやろうと準備している」と明かす。会議では課題の洗い出しに加え、「スーパーのバイヤーさんや野菜ソムリエら外の人にも加わってもらって、どういうところにインセンティブがあるのか話を聞きたい」という。
観光面では、政府が「佐渡島(さど)の金山」の世界文化遺産登録を目指す動きを最大のチャンスと見る。村内には佐渡弥彦米山国定公園の一部があり、「世界中からやってきた観光客に広域的な周遊をしてもらえれば新潟全体の魅力もアップする。体験型のオプションができないか考えている」と思いを巡らせる。
村営競輪場を活用した村おこしプランも進行中。「サイクリングなど競輪とは違った形で自転車を楽しめるスポーツエンターテインメントを進化させていきたい」と語る。競輪場には大きな駐車場が併設され、既にさまざまなイベントで活用されている。
テレビマン時代に24時間チャリティー番組や防災キャンペーン番組を手掛けてきた。こうした経験から、情報発信の重要性を認識している。「広報には情報を出す方にもしっかりとした自覚が必要。メディアに扱ってもらえれば、村民にも『わが村も頑張っているなあ』と励みになるはずだ」と話す。
〔横顔〕ロック、リズムアンドブルースを中心にアナログレコード約2000枚を所有。人生の1枚はジョン・レノンのアルバム「イマジン」。
〔村の自慢〕弥彦神社を中心に観光、農業、商業がしっかりと息づいた村そのものが自慢。
(了)
(2023年10月26日iJAMP配信)