2023/令和5年
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インタビュー 【トップインタビュー】使命感を持ってまちづくり=今栄敏彦・広島県竹原市長 2023/10/27 08:30

今栄敏彦・広島県竹原市長

 瀬戸内海に面し、江戸時代に製塩で栄えた広島県竹原市。2期目を務める今栄敏彦市長(いまえ・としひこ=63)は「市外の皆さんからも素晴らしいと思ってもらえるまちにしたい」と語る。「人口が減少する中でも、しっかりとした使命感を持ってまちづくりをするのが今目指すべき道」と力を込める。

 市の人口は約2万4000人で減少傾向にあり、移住・定住政策に注力している。「にぎわいや交流人口、関係人口の創出を目指した上で各施策に取り組んでいる」とし、2022年には観光地域づくり法人(DMO)となることを目指す「竹原観光まちづくり機構」を設立。「まちづくりを支える組織にしたい。それが必ず行政、まち全体の活性につながる」と期待する。

 2008年から始めた空き家バンクに関しては、「登録者も増えているし、成約に結び付く件数も増えている」と説明。江戸時代の歴史的建造物が並ぶ「町並み保存地区」や瀬戸内海があり、良い景色を求めて移住先を探す人が多いという。「われわれが自信を持ってこの地が素晴らしいことを伝え、選んでもらえるよう努力したい」と話す。

 町並み保存地区は映画「るろうに剣心」などのロケ地となり、観光スポットになっている。NHK連続テレビ小説「マッサン」のモデルになった際に観光客の数がピークに達したが、その後コロナウイルスの影響で激減。「具体的な手を打ちながら、さらに集客を伸ばす。住んでみたいということにつながる取り組みにしたい」と語る。

 「うさぎの島」とも呼ばれる大久野島も観光客に人気な場所だ。第2次世界大戦時には国策で毒ガスを作っていた歴史も併せ持つ。「戦争遺跡でもあるし、休暇村として皆さんを温かく迎える憩いの島でもあり、いろいろな要素がある」とPRする。

 〔横顔〕スポーツ観戦やバスケットボールが趣味で、「いろいろな競技を見るのが好き」。座右の銘は「温故知新」。

 〔市の自慢〕町並み保存地区や大久野島など、代表的な財産がしっかりと息づいているところ。

(了)

(2023年10月27日iJAMP配信)

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