2023/令和5年
126日 (

インタビュー 【トップインタビュー】まずは財政再建に道筋=森川喜之・奈良県河合町長 2023/10/30 08:30

森川喜之・奈良県河合町長

 奈良県河合町は県北西部に位置し、古墳と豊かな自然が調和した住宅都市として知られる。ただ近年は、財政健全化や約4割に上る高齢化率への対応が課題となっている。前職を22票差で破り、大阪府以外の市町村で初めて日本維新の会公認首長になった森川喜之町長(もりかわ・よしゆき=68)は、「まずは財政再建への道筋を付けたい。その後は優先順位を付けた上で住民サービスの施策に取り組む」と意気込む。

 河合町は財政状況が悪化しているとして県から改善を求めてられており、町は財政に詳しい人材の派遣を県に要請。財政課出身の県職員が9月から副町長に就任した。悪化した背景には、土地開発公社の解散に伴って清算費用を負担し、第三セクター等改革推進債の償還が始まったことがある。「町税が20億円足らずにもかかわらず、町債残高は約120億円。県の支援制度を活用して町債の無利子借り換え進めたい」と説明する。

 財政健全化のための重点政策として行政のスリム化を訴える。60歳だった定年が65歳に段階的に引き上げられ、採用と退職のバランス確保も欠かせない。今後の人事管理については「減らすことありきではなく、人員が適正化どうかをまずは見直す。結果的に余剰人員が出れば対応を検討したい」と話す。

 人口減少対策として掲げるのは子育て環境の改善で、中でも学校給食の無償化を掲げる。年間で約6000万円の予算を捻出することが必要だとして、「学校給食の無償化は地域ごとの特性もあり、国が一元的に取り組むのにはハードルがある。予算を確保した上で来年度から段階的に実現したい」と意欲を見せる。

 〔横顔〕町内の中学校を卒業後、父が経営する清掃会社に就職。町議2期、県議3期を務め、今年4月の河合町長選で初当選。趣味はドライブで愛車はクラウン。

 〔町の自慢〕多くの古墳群と豊かな自然環境で県民の憩いの場として知られる馬見丘陵公園。日本書紀に記載があり、古来より朝廷が国家安泰・五穀豊穣(ほうじょう)を祈願してきたとされる広瀬神社など。

(了)

(2023年10月30日iJAMP配信)

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