2023/令和5年
126日 (

インタビュー 【トップインタビュー】「馬のまち」前面に活性化=竹村健・滋賀県栗東市長 2023/11/09 08:30

竹村健・滋賀県栗東市長

 「『馬のまち』のイメージを前面に押し出していきたい」と語るのは、滋賀県栗東市の竹村健市長(たけむら・やすし=57)。日本中央競馬会(JRA)と連携して馬と触れ合える施設を整備し、全国から観光客を呼び込むことで地域活性化につなげる構想を描いている。

 市にはJRAの「栗東トレーニングセンター」があり、全国の競馬ファンに知られている。一方で、観光や買い物客を呼び込める施設には欠け、交流人口が少ないという課題がある。そこで竹村氏は、引退競走馬を活用した公設民営の「ホースパーク」の整備を掲げている。「おみやげ店や飲食店がある商業施設も併設し、交流人口増加につなげたい」考えだ。JRAとも連携し、ホースパーク内での有名騎手を招いたイベントの開催や競馬ミュージアムの設置も検討しているという。

 ホースパークの整備は人口維持にも好影響を及ぼすと見込む。「琵琶湖が滋賀の象徴であるように、馬が栗東の象徴になり得る。馬と触れ合い癒やされたり、観光客が訪れたりすることが、まちへの誇りや愛着の醸成につながる」との考えだ。

 昨年10月の初当選後、市政改革にも力を入れた。意思決定の迅速化のため、「形骸化していた」という部次長会議を廃止。竹村氏は「地域間競争の時代。他がやっていないことをスピード感を持ってやっていく意識が必要だ」と強調し、職員にも前例踏襲主義の見直しを呼び掛けている。

 政治家としての振り出しは、2014年の滋賀県議補選。地元の青年会議所で活動していた縁もあり周囲から促され、「清水の舞台から飛び降りる覚悟で」立候補、初当選した。県議を約8年務めたころ野村昌弘前市長が退任を表明し、「自分がやるしかない」と出馬の決意を固めたという。

 市は、07年の新幹線新駅の建設中止もあり悪化した財政の健全化を進めてきた。「財政健全化優先でできていないこともあるなと思って見ていた。次の時代に向け、新しい施策にも着手していかないといけない」と力を込めた。

 〔横顔〕健康法は毎朝1時間の愛犬との散歩。リフレッシュ法はサウナに行くこと。「常に元気で快活でいることが大事」と心掛けている。

 〔市の自慢〕国道1号、8号が走る交通利便性の良さ。日野自動車や三菱ふそうなどトラック大手4社を含む多くの自動車メーカーがディーラーを置いているといい、「県内交通の要衝である証左だ」と胸を張る。

(了)

(2023年11月9日iJAMP配信)

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