2023/令和5年
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行政ニュース NTT法「25年廃止」を明記=自民提言素案、党内反発も 2023/11/14 18:16

自民党の「NTT法の在り方に関するプロジェクトチーム(PT)」の会合であいさつする座長の甘利明前幹事長(右)=9月7日、東京・永田町の同党本部

 NTT法の見直しを検討する自民党のプロジェクトチーム(PT、座長・甘利明前幹事長)が月内をめどに取りまとめる提言の素案が14日、判明した。「2025年の通常国会までにNTT法を廃止することを求める」と明記。党内の反対派や他の事業者の反発も予想される。

 素案は、同法がNTTに課す研究成果の開示義務について「海外企業と共同研究開発を行う上での障害となり得る」として24年の通常国会で撤廃する法改正を要求。その際、改正法の付則にNTT法自体を25年の通常国会までに廃止する方針を明記するよう求めた。

 NTT法は、研究成果の開示義務などを担保するため、NTTの発行済み株式の3分の1以上を政府が保有するよう定めている。素案は政府の株式保有義務も撤廃すべきだと指摘した。

 撤廃後の政府保有株の売却の是非に関しては「公共性や経済安全保障の観点も踏まえ、別途政策的な判断に委ねるのが妥当」と記載するにとどめた。

 売却する場合の手法は、NTTによる自社株購入を挙げた。売却収入の望ましい使途として、情報通信分野の研究開発や、通信インフラの整備・維持を列挙。当初想定した防衛費増額の財源に充てる案への言及は見送った。

 素案は16日のPTと党情報通信戦略調査会の合同役員会で議論される見通し。同法見直しを巡っては、規制撤廃によりNTTが強大化することへの懸念が党内や他の事業者にあり、反対派議員は「NTTの理屈でしか書かれていない。他の事業者はどうなるのか」と批判した。

 KDDIとソフトバンク、楽天モバイルの3社は14日、「NTT法の廃止に反対の立場であり、より慎重な政策議論を行うことを要望している」とのコメントを発表した。 

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